「しっかし、暑いなあ・・・。」 自分のベッドの上で、時間も忘れてハーマイオニーの名前を探していた僕は、 知らないうちに汗びっしょりになっていた。 OWLのテストの時でもこんなに集中しなかったと言う位、僕は真剣に 彼女の名前を探していたからだ。 気がつけば、Tシャツにも汗が滲んでとても気持ち悪い。 僕は湿ったTシャツを頭から脱ぎ捨て、新しいTシャツを着ようとベッドから降りた。 だけど、しばらく汗が引くまでこのままでいようと思い、 自分のベッドの脇にある窓に近づき、窓を開けた。 なまぬるい風が室内に入り込む。 ベッドのカーテンを揺らし、その近くの一つの空間までが揺れたような気がした。 「・・・・・。」 ふと、ベッドの上の "忍びの地図" がはらりと落ちた。 それを拾おうと地図の傍まで行く。 僕が歩を進めるのと同時に、歪んだ空間までもが移動する。 そして地図を拾った。 それを手に再び窓辺まで戻ると、そのふちに寄りかかって 歪んだ空間を目の端に捉えながら、地図に目を落とす。 「ふ〜ん、そういうことか・・・。」 やられた・・・。 まんまと彼女にやられた・・・。 開いたままのトランクに目をやると、いつもそこにあるべき物がない。 一体いつ、やられたんだろう? もしかして・・・ロンも共犯か? 僕はそういう事なら・・・と考えを巡らす。 そしておもむろに窓辺から離れ、ベッドのそばまで来ると、 「は〜〜、暑い暑い!今日はやけに暑いなあ・・・。」 と大きな声で叫び、 「こんなもの着てるから暑いんだよな〜。」 と言って履いているGパンのファスナーに手をかけた。 そしてベッドに腰掛けたまま、あっさりとそのGパンを脱ぎ捨てた。 「やだなあ・・・、下着まで汗かいてるよ・・・。」 わざわざその姿でベッドの上に大の字に寝そべる。 「こんな姿、ハーマイオニーに見せたら、何て言うだろう・・・。 顔を真っ赤にして何も言えなくなるか・・・、 あ、意外と全然平気な顔して、早く服を着ろって怒るかもなあ・・。」 ・・・・・。 「ねえ、どっちなんだろう。どんな顔してるのか見てみたいなあ・・。」 ・・・・・。 「じゃあ、この下着も脱いでここに仰向けになっちゃおうかなあ・・・。」 ・・・・・。 「じゃ、失礼して・・・・と。」 そう言って下着を脱ぐのと、薄鼠色のさらさらした布が飛んでくるのは同時だった。 頭からその布を被り透明になった裸の自分と、 顔を真っ赤にした彼女が向かい合う。 僕は自分の間抜けな姿を想像して、ちょっと笑った。 彼女は僕の姿は見えないはずなのに、 下を向いたまま顔を上げることはしなかった。 そんな彼女をますますからかってみたくなって、 僕はマントの端から手を出し、その手の先に脱いだ下着を持って ひらひらと振ってみる。 「やっぱりここにいたんだ・・・。 随分と手こずらせてくれるじゃないか・・・、ハーマイオニー。」 「・・・やっぱりって・・・、 ぜんぜん気付かなかったじゃないの・・・。」 「どうしてこんなところにいるの? ここは君の部屋じゃないだろう? ・・・・もしかして君、覗きの趣味でも・・・?」 「バカ言わないでよ!」 「じゃあ、どうして? 勝手に僕の部屋に入って、しかも透明マントまで勝手に使ってさ。 僕がずっと君に謝りたかったのは知っているはずだろう? それとも、僕の顔を見るのも嫌な位嫌いになっちゃったって事?」 「あなたは・・・、何の断りもなく私の心の中に進入してきたわ。 ・・・だから・・・、私だって勝手にあなたの部屋に入って 何をしようといいじゃない?」 「それは本当にすまなかったと思っている。 どんな謝罪でもするつもりだよ。 ねえ、どうすれば許してくれるの? 謝って済む事だとは思ってないけどさ・・・。」 「・・・・。」 僕には彼女の顔がはっきり見えていたけれど、 彼女からは僕の姿は見えてない。 僕は少し不安になってきた。 「ねえ・・・、このマント脱いでもいいかな?」 「え?だ・・・だめよ!だめ!」 「だって君には僕の姿が見えないだろう? 何だか変だよ、こんなの。」 「あなたが服を着てくれれば、出てきたっていいのよ。」 自分が悪い事をしているくせに、その条件をのむのは 何だか譲れなかった。 それにもっともっと彼女が赤い顔をして困った様子を見ていたかった。 「こんなの被ってたら、服着られないよ。 何、ハーマイオニー・・・、僕の裸を見るのがそんなに恥ずかしいの?」 「は・・・恥ずかしいわけないじゃない! あ・・あなたの・・・裸なんて・・・。」 ふうん・・・。 意地っ張りなんだから。 そんな彼女を可愛いと思う僕はおかしいんだろうか・・・。 透明マントを被ったまま立ち上がって・・・、 僕はそっと彼女のそばまで近寄って行った・・・。 ← →
His Birthday 5 ![]()
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真っ黒黒すけハリー、発動です。
さあ、ここからがハリーのリベンジ開始となります。
映画のキスシーンに影響されてます。(笑)
攻めハリーを書きたかったので、もうどんどんハーを
攻めていただきましょう!!<悪魔の笑み・・・ふっふっふ。
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