7巻翻訳本の文章をそのまま抜粋している部分がありますが、悪意はありません。
著作権を侵害するつもりも全くありません。
これはくうの悪ふざけですので、その辺のところをご理解くださいませ。

19章 銀色の牝鹿 こんなの嫌だから勝手に変えちゃえ編・1

僕とハーマイオニーを残して、もう一人の親友が姿を消して2週間が経っていた。 僕は喪失感に打ちひしがれ、ハーマイオニーは泣いてばかりいた。 時々ベッドの中から、彼女の 「ロン・・・、帰って来て・・・。」と寝言を言う声まで聞こえてきていた。 とても居た堪れなかった・・・。 ロンのいない事が、こんなにも彼女にダメージを与えるなんて。 僕がいるだけじゃダメなんだ。 彼女が必要としているのはロンだった。 今までよく二人で窮地を潜り抜けてきた。 そこにはロンなんていなかったし、極端な事を云えば 僕達二人ともロンの事なんて考えている余裕もなかったんだ。 なのに今は違う。 だから僕は、事あるごとに彼女にみんなの処へ帰るよう、強く言い聞かせていた。 僕のせいで二人を引き離してしまうなんて事はできない。 今ならまだ間に合うかもしれない。 僕じゃなく、彼女がロンを選んで帰ってくれば、 きっと前の様に二人は仲よく接していけるはずだ。 でもそれを言うと必ず彼女は寂しそうに眼を伏せ、 「ハリーは全然わかってないのね・・・。」 と言って、押し黙ってしまった。 そんなある日のこと、彼女が熱を出した。 今までずっと緊張を強いられ、挙句の果てにそばにいてもらいたいはずの親友もいない。 限界だったんだろう。 魔法薬キットで風邪薬を調合して与えてみても それはちっとも効果がなかった。 ただ僕は、ハーマイオニーのそばにいて、額に乗せたタオルを変えたり 親友として許される範囲で、彼女の体の汗を拭ってやる事くらいしか出来なかった。 「ハーマイオニー、どう?  少しは何か食べないと・・・。  ほら、今日は卵をとってきたんだ。  こんな物くらいしか出来ないけど、食べて?」 そう言って少し焦がしてしまったスクランブルエッグを 彼女の枕元に差し出した。 「私はいいわ。  これはハリーが食べて・・・。」 「ぼくはいいよ。  君こそ体力つけないと、風邪が治らないから。」 「・・・ごめんね、ハリー・・・。」 「謝るなよ。  君が悪いんじゃない。  何の計画もなく、君たちを連れまわしている僕の責任だよ。」 ここにもうロンはいないのに、敢えて”君たち”と言ってしまった。 それに彼女が気付いたか気付かなかったか・・・、僕には分からなかった。 でも、軽く微笑んで彼女はこう言った。 「私が困っている時、いつも助けてくれるのはハリーね?」 「何言ってるんだよ。  君の方が圧倒的に僕を助けてくれてるじゃないか。」 「そんなことない・・・。」 「いや。  君はあの時、ロンと一緒に戻るべきだったんだ。  そうしたらこんな目に逢わなくて済んだだろうし、  ・・・こんなに寂しい思いもしなくて済んだんだ。」 「・・・寂しい・・・思い・・・?」 思わぬ疑問符を返されて、僕はちょっと動揺した。 「だってロンがいなくて寂しいだろ?  気を悪くしないでほしいんだけど、寝言でもロンの名前をよく呼んでるよ?」 「・・・そう・・・。  でも、やっぱりあなたは何にも分かってないわね?」 「どういう意味?」 「・・・ううん。別に。  ハリー?あなたもジニーと会えなくて寂しい?」 「寂しいと感じた事はあまりないけど・・・、  少しは心配かな。一応ね。」 そんな僕の応えを聞いて、彼女はやっぱり静かに目を伏せた。                           


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まずは嫌だ嫌だの19章。
勝手に話を変えさせて頂きます。
vsカップリングの皆様、本当にすみません。
ここでだけですから・・・。
少しだけ悪あがきをさせてくださいまし。
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