Draco


「マルフォイ!」 突然背後から聞きたくもない声が聞こえた。 当然無視をしていると 「聞こえないのか?おい、マルフォイ!」 しつこいヤツだ。 返事もせず思い切り嫌悪の表情でそいつの方を振り向いた。 そこには思ったとおり、入学した時から大嫌いだった あのハリー・ポッターが立っていた。 「貴様が俺に何の用だ。」 「用なんかないさ。渡したいものがあっただけだ。」 「渡したいもの?」 憎らしげにその男の手を見れば、 なにやら無造作に茶色の紙袋を握っている。 「貴様からもらう物など何もない。」 つっけんどんにそう言うと、そこから立ち去ろうとした。 「そう言うと思ったよ。  だけど、これを貰っておいてよかったと思う日が  きっとくると思うんだよね。  だから、さっさと受け取れよ。」 有無も言わさず、ヤツは僕めがけてそのくしゃくしゃの紙袋を投げてよこした。 そして呆然としている僕の横を 何も言わず走り抜けて行った。 ため息をついてその紙袋の中身をさぐってみた。 一通の羊皮紙に書かれた手紙が、まず目に留まった。 ポッターが僕に手紙を・・・? いささか信じられなかったが、とりあえずその手紙を読んでみることにした。 ”これは、自分に降りかかる災いを   身代わりとなって除けてくれる人形だ   君の大嫌いなハーマイオニーが   呪文をかけたからお墨付きのはずだ   持つも持たないも君の勝手だけど   お互い命だけは大切にしようぜ   HAPPY BIRTHDAY!”    そしてもう一つ、何やらその身代わりの人形らしき物が入っている。 おそるおそるそれを取り出してみた。 するとそこには・・・・ 真っ白いふわふわした小さな小さなぬいぐるみ・・・。 形は・・・フェレット。 「ちっくしょう!ポッターのヤツ!」 ・・・何で僕の誕生日なんて知ってるんだよ? お互い命を大切にしよう、だと? 一番命の危険に晒されているのは貴様だというのに・・。 全くふざけた野郎だ。 「ばかやろう・・・」 そう言いながら僕はそのフェ・・・いや、身代わり人形を そっと制服のポケットの中にしのばせた。 ======== 初めて書いたドラコです。 いつもトリオに腹の立つ事ばかり言ってるドラコ。 だけど、そんなドラコを私は嫌いにはなれません。 ドラコ居てこそのハリポタですもん! どうか7巻では幸せになってくれますように・・・。 ('08.06.10 加筆修正) ========