LESSON 1
ハリーから相談があると言われ、誰もいない教室に呼び出された。 しかも夜の消灯時間を過ぎてから…。 私の気持ちなんてこれっぽっちも理解していない彼は 平気で恋の相談なんかをしてくるのだ。 何でも相談できる相手・・・そうこれが彼の望む私の姿・・・ 「ごめんね、ハーマイオニー。こんな時間に…。」 「ううん、それはいいの。で、なあに?相談って。」 「うん…、えっと、何て言っていいか…」 ハリーはよほど言いにくいのか、どうも歯切れが悪い。 私はピンときた。 「ジニーの事ね?」 「あー、うん。そう…。彼女の事なんだけど…」 「ジニーがどうかしたの?」 「…うん。いや、どうもしないんだけど…」 「何よ?はっきりしなさいよ!男でしょ!?」 「彼女から何か聞いてない?」 「何を?…あ、わかった! あなた何かいやらしい事したんでしょう!?」 「ち、違うよ!」 ハリーはとんでもないとばかりに、首を左右にブンブンと振りながら否定した。 それでもあきらめたように話し出した。 「その逆だよ。」 「逆?」 「そう、逆。最近さ、どうも彼女そっちの方に進みたいらしくてさ…」 私は何となくわかったけれど、敢えて聞いてみた。 この鈍感男に無性に意地悪をしてみたくなった。 「そ、そっちの方って?」 「僕に言わせるなよ!…ねぇ、女の子ってそういうもんなの?」 …何を真剣に悩んでるかと思えばハリーったら… 「あなたはどうなのよ?ジニーを抱きたくないの?」 「だ、だ、抱くって…。だ、抱くって何を?」 「あなた、ふざけてる?」 ひっくり返ったような声で真っ赤になってるこの男は、 本当に選ばれし者と呼ばれている、あのハリーポッターなのだろうか? 「ハリー、女の子は誰だって好きな人には抱いて貰いたいと思うものよ?」 「だけどさ!だけど… 無理だよ。やった事ないもん」 「誰だって初めての時はあるわよ。…って、あなた今まで一度も!?」 「誰とするんだよ〜?」 もはやハリーは半泣きだ。 「チョウ…とか」 「やめてくれよ!そんな事考えた事ないよ! ・・・それにしても・・・ えらく余裕かましてくれるけどさぁ、 もしかして君はもう、あるって事なの?」 「ノーコメントよ」 「ケチ。教えろよ!」 ケチって何よ! 大体あなたの事をずっと好きな私が誰とするっていうのよ!? ホント、な〜んにも気付いてないのね・・・ 「で?あなたは私に何をして欲しいの?」 「わかんないよ。でもジニーとそういう事するのって、何か違う気がしてさあ。」 「でも好きなんでしょ?あんな大勢の前でキスしたじゃない。 今更忘れたとは言わせないわよ?」 「好きだけど…、そういう事したいとは思ってないよ。 彼女は今まで以上に僕にスキンシップを求めてきたり、 無理と僕を挑発するような格好をしたりするんだ。 …何すりゃいいわけ?教えてくれよ!」 「そこまでされて、何も感じないの?彼女に女の魅力を感じないって事?」 今度はジニーが可哀相になってきた。 (私も相当可哀相だけど・・・) もしかしてハリーって欠陥があるんじゃ…? ううん、もしかして同性愛者ぁ〜? 「わかったわ。あなたに自信がないのが原因だと思うの。 一度経験してみなくちゃダメよ!」 「何言ってるんだよ。相手がいないだろ?仮にジニーを相手にしたって、 僕はジニーをだ、だ、抱きたいなんて思わないよ!」 何を吃ってるんだか…。 本当にこの人18歳なの? キスするのは誰よりも早かったくせに。 「ねぇハリー?ジニーとキスしていて、…何も感じない?」 「うん!」 きっぱりと言い切ったわね。 やっぱり欠陥があるのよ・・・この男は! 「そう、じゃ私とキス…してみましょう?」 「き、君と!?…い、いいけど… もしそれで僕が感じちゃったら、ど、どうするつもり?」 まあ、随分大胆な事言うじゃない! さっきまで真っ赤になって吃ってたくせに。 そ、それに・・・ 反則だわ…そんな上目使いでこんな事言うなんて。 落ち着かないじゃないの… 「いいわよ?練習してみれば? ま、親友の私に感じる位なら、とっくにジニーに感じてるわよ」 「そうかなあ…?」 「そうよ!」 「あのさ、一つ確認しておきたいんだけど…。 君、キスは・・・したことあるんだよね?」 「私の事はいいじゃない!」 「よくないよ!好きでもない男と、例え練習でもキスするんだぜ? もしそれがファーストキスだったりしたら君に悪いよ!」 「練習するのはあなたであって、私じゃないわ。 それに誰が好きでもないなんて言ったのよ…。 わ、私は好きでもない男の人とキスなんてしないわよ!」 私、何言ってるんだろう? これじゃあ告白じゃない! ガールフレンドのいる男の人に告白してどうするのよ。 ハリーはきっと困った顔をしているわ・・・ 私はおそるおそる顔をあげてみた。 ところが・・・ 「そりゃそうだ!僕達は友達だから嫌いじゃないか・・・ うん、よかった。特別な意味はなくてもハーマイオニーにそう言ってもらうのって 何だか嬉しいよ!」 この〜、超にぶちん欠陥男!! もう、こうなったらジニーじゃないけど、思いっきり挑発してやるわ! そうよ、ハーマイオニー!大間抜けだけど大好きなハリーとキスできる 絶好のチャンスじゃない! ジニーには申し訳ないけれど、一度くらいハリーとキスしたってばちは当たらないはずよ。 そう自分に言い聞かせると、私は制服のセーターを脱ぎ、 白いブラウス一枚で彼にそっと抱きついた・・・ 続いちゃうよ〜 LESSON 2へ →
======== きゃーっ!寸止め〜〜! 攻めで鬼畜なハリーも大好物ですが、ハーに思いっきり苛められる ハリーも大好きです。 次回は形勢逆転しちゃう・・・かも? ハーちゃん、ピーンチ!(笑) ========