Harry asked me out!

6年のクリスマス休暇… 僕とロンとハーマイオニーはホグズミートに来ていた。 「なーんか最近さぁ…カップル増えたと思わないか?」 ロンが突然そう言った。 そう言われてみると、あちこち手を繋いで寄り添って歩くホグワーツの生徒ばかりだ。 「ホントだ…、今気付いたよ」 「だろ?6年にもなって男同士でこんな所にいるのって、僕達くらいなもんだぜ」 「あら、ロン。お言葉ですけど私一応女の子なのよ?」 ハーマイオニーが不機嫌そうにロンを見上げた。 「相手のいないあなた達に付き合ってあげてるんだから、 少しは感謝してもらいたいもんだわ」 「そうか!だから僕達にはいつまでたってもガールフレンドができないんだ」 「私のせいだって言うの?」 「ちがうかい?」 「失礼ね!それはこっちのセリフだわ。 あなた達の子守が忙しくて、 私の方こそいつまでたっても恋人が出来ないんじゃない!」 ハーマイオニーの口から「恋人」なんていう言葉が飛び出して、正直僕は驚いた。 「え?ハーマイオニーってもしかして恋愛に興味あったの?」 これって17歳の女の子には、ひどく失礼な言い方なのかな…? 「ハリー、私だって女の子だって言ってるでしょ? いつか私の事だけを愛してくれる素敵な人と、 ああやって手を繋いだりしてデートしてみたいわ…」 およそハーマイオニーらしくない夢見るような表情で見つめる先には、7年生のカップルがいた。 その2人は全く回りを気にする事もなく、時々立ち止まっては見つめ合ったり、抱き合ったり、 しまいにはキスまでしている。 「おいおい、見ているこっちが恥ずかしくなるじゃないか!」 自分の髪の色と同じくらい真っ赤になってロンが言った。 「まぁ、いつまでも子供なのね、ロンは…」 「子供は子供らしくハニーデュークスにでも行くかい? そこでネビルと会う事になってるんだ」 僕はしばらく考えて、そしてロンにこう言った。 「ロン、悪いけど一人で行ってよ。 ちょっとハーマイオニーに頼みたい事があるんだ」 「そうかい?じゃあとで夕食の時に会おう」 「OK」 そこでロンと別れると、僕はハーマイオニーに手を差し出した。 きょとんとしている彼女に、 「ねぇ これから僕とデートしない?あのカップルみたいに…」 「え?私がハリーと?」 「そう!僕とじゃイヤ?」 内心断られるんじゃないかと、ドキドキしながら彼女の返事を待った。 ところが逆に彼女は少し赤くなりながら、 「いいわよ。しっかり私をエスコートしてね」と言って僕の手をとった。 「でもちょっと恥ずかしいわ…」 そりゃそうだろう。今まで彼女とデートなんてしたことなかったし、 そういう対象で見た事もなかった。 正直僕の顔だって、相当赤くなっているはずだ。 だけどしばらくすると、繋いでいる彼女の柔らかい手の温もりが、 とても心地いい事に気が付いた。 いつまでもこうしていたいとさえ思う様になっていた。 ただ手を繋いで、時々他愛もない話をしながら、 それでも今まで経験したことのない幸せな時間が過ぎていった。 空からはチラチラと雪が舞っている。 「ねぇ寒くない?」 「少し…寒いわ…」 クリスマスの独特な雰囲気が僕達に魔法をかけたようだった。 僕はそっとハーマイオニーを抱き寄せ自分のローブの中に入れてあげた。 「ハリー、暖かい…。 あなた本当は女の子の扱いが凄く上手なのね?」 「違うよ。多分君がハーマイオニーだからこうしてあげたいって思っちゃうんだ」 「ふふっ、だったら私もあなたがハリーだから嬉しいって思っちゃうのかも…」 「少しは理想的なデートになった?」 「えぇ!勿論よ。でもまだパーフェクトじゃないわよ?」 「当然さ!僕もまだ終わらせるつもりはないよ」 そう言って僕はローブのポケットから小さく畳んだ透明マントを取り出すと、 すっぽりと自分と彼女を覆った… まだ恋人同士じゃないから、このデートをパーフェクトに終わらせる為にはこうするしかない。 でも今度デートする時はきっと必要じゃなくなるだろう。 だって2人の気持ちが同じだって、たった今気付いたんだから… ======== すっぽり覆って何なのよ〜〜!? というつっこみはナシにしてください..。 書こうと思ったんだけど、 私がそこまで書くと多分イメージ壊れちゃうと思うので・・・ 誰かそこんとこ書いてくださいまし。(おいおい) Art by Mel ========